子どもたちが将来、社会で活躍するために、どのような力が大切だと思いますか?
保育所保育指針では、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿が示されています。
今回の記事では、この10の姿について詳しく解説し、家庭での活かし方を提案できればと思います。
近年、幼児期の教育の重要性がますます高まっています。
幼児期に適切な教育を受けると、その後の学習や生活に良い影響を与えることが研究で明らかになっています。
保育所保育指針では、幼児期に育ってほしい10の姿が示されており、これらの姿は、子どもたちの将来の幸せにつながる重要な力となります。
その10の姿とはどのようなものがあるのでしょうか。
また、保育園だけでなくご家庭とこれらを共有していくことで更に子ども達も成長していくにはどのような関わりが必要なのでしょうか。
- 健康な心と体
→早寝早起きや朝ごはんをしっかり食べるなどの規則正しい生活を送る - 自立心
→自分の身の回りのことを、できる範囲で自分でする - 協同性
→簡単なお手伝いをしたり、ボードゲームやカードゲームのチーム戦をしてみる - 道徳性・規範意識の芽生え
→親が子の模範となる - 社会生活との関わり
→公共の場でのマナーを守る
では早速『幼児期に育ってほしい10の姿』について詳しく紹介しましょう。
長いので2回に分けて説明しますね。今回は前編です。
健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しを持って行動し、自ら健康で安全な生活を作り出すようになる。
保育所保育指針
「見通しを持って行動し、自ら健康で安全な生活を作り出す」とはなかなか簡単なことではありません。早寝早起き朝ごはんなど規則正しい生活習慣を身につけ安定した情緒の中で、例えば汗をかいていたら上着を脱いだり汗を拭くなど繰り返し経験する中で「何の為に」「次は何をするか」と自分で考えながら行動できるようになってほしいですね。
早寝早起きは我が家の子ども三人とも、小学校でも中学校でも高校でも入学説明会や入学式でそれぞれ言われ続けたくらいとても大切なことですよ。しっかりした睡眠をとることで情緒も安定します。
自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行う為に考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信を持って行動するようになる。
保育所保育指針
子どもの自立心を育てるには、時間がかかります。 親が何でもしてあげるのでは自立心はいつまでも育ちません。その年齢でできる範囲で『自分のことは自分で』やってみようという気持ちを育んでいってほしいですね。
頑張ったことが出来た時の喜びが満足感を得たり自信につながり、また頑張ってみようという気持ちを育てていきます。たくさんの成功体験を重ねていくことが大切ですね。
朝自分で服を選んだり、カバンの中身を自分で揃えたり、保育園や幼稚園への送り迎えの際も自分のカバンは自分で持つなど、小さな成功体験をたくさんしていけると良いですね。
協同性
友達と関わる中で、互いの想いや考えを共有し、共通の目的の実現に向けて考えたり、工夫したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。
保育所保育指針
4歳頃になると「何でも自分がやりたい」という時期から「みんなで一緒にする楽しさ」がわかってきます。協力し合うことでより楽しい体験をしたり達成感を味わいながらコミュニケーション能力や相手の意見も受け入れる柔軟性、チームの一員としての責任感など養っていきます。子どもが自分の役割を果たすことで、協同することの大切さを実感することができます。
ご家庭で協同性を養うにはお手伝いをお願いしたり、家庭でのルール作りや旅行先についての家族会議をしてみてはいかがでしょうか。また、トランプやボードゲーム、カードゲームでのチーム対決なども良いですね。
道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、して良い事や悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、決まりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いをつけながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。
保育所保育指針
実は道徳性や規範意識は1歳前半から芽生えています。まだ世間的には赤ちゃんと思われている1歳前半の子どもが自分より小さい子が泣いているのを見てティッシュを持ってきて涙を拭こうとしてくれる姿はよく見られます。このような思いやりの気持ちを大切に育てていきたいですね。
子どもにとって、親や周りの大人たちは模範となる存在です。常に道徳心を持って、ルールや規範を守って行動し、子どもに模範を示すことが大切です。また、道徳や規範に関する絵本や物語を読み聞かせたり、登場人物の行動について話し合ってみるのも良いですね。
社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちを持つとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみを持つようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。
保育所保育指針
子ども達は家庭や保育園という小さな世界だけではなく、地域に暮らす様々な年齢の人達との関わりから、実態のある体験を通して社会の一員としての自覚や貢献する気持ちなどを学んでいきます。それぞれの場所で異なる学びを得ることができます。様々な経験を積めるようにサポートすることが大切です。
例えば保育園や幼稚園で行ってみた場所について話をしたり後日親子でその場所に行くのも良い経験ですし、公共の乗り物に乗ってみたり、図書館に行ってマナーを学ぶことも大切ですね。
おわりに
いかがでしたか?
これらをよく読むと、小学生だけでなく中学生、高校生、そして社会人となって独り立ちする際にもしっかりと身についていて欲しいものばかりですね。
幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿は到達目標ではありません。毎日の生活の中での積み重ねがその姿につながっていくものです。
後半は
- 思考力の芽生え
→親子で博物館や科学館に行ってみる - 自然との関わり・生命尊重
→公園や山、海などの自然に触れる - 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
→カレンダーで数字を数える。リビングに五十音表を貼る - 言葉による伝え合い
→ノーメディアDAYを作る - 豊かな感情と表現
→親自身が楽しむ
上記についてお話ししていきたいと思いますので、併せて見て頂けると嬉しいです。
コメント