ご家庭と一緒に育ってほしい10の姿ー後編ー

教育

子どもたちが将来、社会で活躍するために、どのような力が大切だと思いますか?

保育所保育指針では、幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿が示されています。

今回の記事では、この10の姿について詳しく解説し、家庭での活かし方を提案できればと思います。

近年、幼児期の教育の重要性がますます高まっています。

幼児期に適切な教育を受けると、その後の学習や生活に良い影響を与えることが研究で明らかになっています。

保育所保育指針では、幼児期に育ってほしい10の姿が示されており、これらの姿は、子どもたちの将来の幸せにつながる重要な力となります。

その10の姿とはどのようなものがあるのでしょうか。
また、保育園だけでなくご家庭とこれらを共有していくことで更に子ども達も成長していくにはどのような関わりが必要なのでしょうか。

  • 思考力の芽生え
    親子で博物館や科学館に行ってみる
  • 自然との関わり・生命尊重
    公園や山、海などの自然に触れる
  • 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
    カレンダーで数字を数える。リビングに五十音表を貼る
  • 言葉による伝え合い
    ノーメディアDAYを作る
  • 豊かな感情と表現
    親自身が楽しむ

では早速『幼児期に育ってほしい10の姿』について詳しく紹介しましょう。

長いので2回に分けて説明しますね。今回は上記についての『後編』です。

思考力の芽生え

身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気づいたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気づき自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら自分の考えをよりよりものにするようになる。

保育所保育指針

幼少期は、子どもたちが様々なことを学び、成長する時期です。その中でも、思考力の芽生えは、将来の学習や生活に大きく影響する重要な要素です。思考力とは、情報を収集し、分析し、判断し、問題解決に向けて行動する能力です。好奇心や観察力、想像力を高めていけるような働きかけが大切ですね。

ぽんこ
ぽんこ

「なぜだろう?」「どうしてだろう?」という思考のきっかけ作りに、お子さんと一緒に博物館や科学館に行ってみるのもおすすめですよ。また、図鑑などを親子で見るのも世界が広がっていって楽しいですね。

自然との関わり・生命尊重

自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化など感じ取り、好奇心や探究心を持って考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念を持つようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気づき、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちを持って関わるようになる。

保育所保育指針

自然の美しさや不思議さを体験することで、子どもたちは感性が豊かになり、自然の中で遊ぶことで、子どもたちは体力をつけ、協調性を養うことができます。命の大切さを理解したり命を大切に扱うことは、子どもたちが将来、思いやりのある人間に成長するためにも重要なことですね。

ぺっこ
ぺっこ

ご家庭で公園や山、海などに出掛けて自然に触れる機会を作ったり、自然に関する絵本や図鑑を見てみるのも良いですね。親子でキャンプもおすすめです。また、ペットを飼ったり植物を育てるのも良い経験ですね。

数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

遊びや生活の中で、数量や図形標識や文字などに親しむ体験を重ねたり標識や文字の役割に気付いたりし、自らの日つよ王冠に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚を持つようになる。

保育所保育指針

数量や文字などの認識は、子どもの将来の学習や生活に大きく影響する重要なスキルです。子ども達は友達同士の遊びや周りの大人との関わりの中で、分かる喜びや使ってみる楽しさなどを経験しながら、簡単な数量や図形の認識、文字の識別などが育ってきます。ご家庭でもカレンダーを見ながら今日の日付を言ってみたり、絵本の読み聞かせの習慣や簡単な足し算、引き算のゲーム遊びなど取り入れてみるのも良いですね。

ぽんこ
ぽんこ

子ども達は親が思っている以上に早い段階から文字に関心を持ち始めます。早い子なら2歳から3歳くらいの間に自分や友達の名前に関わる文字について識別している子もいます。興味を持った時が始め時。五十音表を常に目につくリビングに貼ることがおすすめですよ。

言葉による伝え合い

保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身につけ、経験した事や考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

保育所保育指針

語彙力が高い人は、自分の考えや感情を明確に表現することができ、周囲の人とのコミュニケーションを円滑に行うことができます。また、読書や学習などの理解度も高くなります。

語彙の量(どれだけ多くの言葉を知っているか)や語彙の質(状況に応じて、知っている言葉を適切に選び、使いこなせるか)を身につけられるよう、周りの大人が丁寧な言葉遣いを心がけたり、子どもとたくさんコミュニケーションを取ったり、絵本の読み聞かせをするのも良いですね。

ぺっこ
ぺっこ

テレビやゲーム、YouTubeばかり見ていると、子どもは言葉の力を発達させる機会を失ってしまいます。テレビやゲームの時間を制限し、その分家族との会話や遊びの時間を取ることが大切ですね。

豊かな感性と表現

心を動かす出来度となどに触れ感性を働かせる中で、さまざまな素材の特徴や表現の仕方などに気づき、感じた事や考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲を持つようになる。

保育所保育指針

自然に触れたり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、様々な体験を通して五感を刺激することで、子ども達の感性は豊かになります。自分の気持ちを言葉や絵、行動などで表現したときは、否定はせずに良かったところや素敵なところを伝えるといいですね。子ども達は更に積極的にダイナミックに表現したいと感じるようになります。表現することを心から楽しめることは、とても素敵なことですね。

ぽんこ
ぽんこ

大切なのは親自身が楽しんでいる姿を見せること。子どもも自然と興味を持つようになります。親子で一緒に創作活動を楽しんだり、様々な体験をしたりして、豊かな感性を育みましょう。

おわりに

いかがでしたか?

これらをよく読むと、小学生だけでなく中学生、高校生、そして社会人となって独り立ちする際にもしっかりと身についていて欲しいものばかりですね。


幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿は到達目標ではありません。毎日の生活の中での積み重ねがその姿につながっていくものです。

  • 早寝早起きや朝ごはんをしっかり食べるなどの規則正しい生活を送る。
  • 自分の身の回りのことを、できる範囲で自分でする。
  • 簡単なお手伝いをしたり、ボードゲームやカードゲームのチーム戦をしてみる。
  • 親が子の模範となる。
  • 公共の場でのマナーを守る。
  • 親子で博物館や科学館に行ってみる。
  • 公園や山、海などの自然に触れる。
  • カレンダーで数字を数える。リビングに五十音表を貼る。
  • ノーメディアDAYを作る。
  • 親自身が楽しむ。

ぜひご家庭でも上記の内容をヒントに、お子さんとたくさんの経験をしてみてください。

「小学校に入るまでに育っていれば良いのなら、まだうちの子どもは小さいから関係ない」ではなく、1〜2歳の頃から様々な経験を重ねることでこれらの姿を伸ばしていってほしいと思います。

前半に紹介した下記についても併せて見て頂けると嬉しいです。

健康な心と体
早寝早起きや朝ごはんをしっかり食べるなどの規則正しい生活を送る

自立心
自分の身の回りのことを、できる範囲で自分でする

協同性
簡単なお手伝いをしたり、ボードゲームやカードゲームのチーム戦をしてみる

道徳性・規範意識の芽生え
親が子の模範となる

社会生活との関わり
公共の場でのマナーを守る

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